Production noteにかえて
『愛の予感』海外用プレスシート -Director’s statement より
この映画のモチーフとなった、少女の同級生殺しは、実際に日本で起こった事件です。そして、また、加害者の家族以上に被害者家族が、マスコミの放火を浴び、さらし者になると言う現象も、日常茶飯事のごとく、日本で起こっています。脚本を書くにあたって、これらのことにプラスして、今の日本の格差の問題を、盛り込み、より、現代を意識した作りにしたのです。脚本を書き始めると、「原罪」という言葉が脳裏をかすめ、これは、前作、『バッシング』と同じテーマだと気付いたのです。映画を、工場と民宿に限定したのは、昔読んだソルジェニツィンの「イワン・デニーソヴィッチの一日」の事が思い出されたからです(劇中で、主人公が愛読している本として取り上げました)。これは、監獄、もしくは、収容所内の出来事であるべきなのです!彼らを、執拗にキャメラが追い詰めることで、何かが生まれるはずだと、僕は、信じたのです。インタビューシーンを除く、全てのシーンで、台詞を排除したのも、二人の緊張感を、高めるためです。殺人事件の被害者の親と加害者の親が、収容所の様な閉じられた場所で、偶然出会い、再生への道を歩んでゆく―。
『バッシング』が贖宥(しょくゆう)の物語ならば、『愛の予感』は、その後に来る再生の物語でなければならないのです。
『愛の予感』監督・脚本・主演:小林政広












